霧積温泉湯元 金湯館

〒379-0307 群馬県安中市松井田町坂本1928 霧積温泉 金湯館
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No4. 金湯館 秘話 金湯館の冬

金湯館の冬の風物詩は全長30メートルの水路が凍ってできる氷柱です。

その美しさと迫力に魅せられ、毎年この時期を楽しみにされている写真愛好家の方もいらっしゃいます。

近隣で氷壁を登るアイスクライミングを楽しんだ後に、当館のお湯で体をほぐす方もこの時期多くお見えになります。

昭和56年まで電気も電話も通じていなかったこの宿で冬を越すことは、なかなか大変なことも多くありました。(自家発電の詳しいお話はNo3をご覧下さい)

今から35年程前、3代目当主夫婦の長女が保育園に通っている頃はディーゼルエンジンを導入した自家発電でした。(4代目当主はまだ生まれていませんでした)当時の暖の取り方は豆炭ごたつと石油ストーブで、昭和56年までそれは続きました。今は電気ごたつと石油ファンヒーターになっています。金湯館のある山の除雪は人海戦術でひたすら頑張る形で冬を乗り切っていました。

そんなある日保育園から帰宅する子供たちを乗せた車が降り積もる雪に立ち往生してしまいました。もちろんチェーンは着けていましたが、当時はまだ四輪駆動ではありません。仕方なく70〜80cmほど積もった雪をかき分けて金湯館まで約3kmの雪山道を大人2人と子供3人で歩いて戻ることに致しました。厳寒の中4時間ほどかかったでしょうか。小さな子供の背丈では、首まで途中埋まりながら必死で山を登ってやっと帰宅できました。

金湯館の現当主の兄が経営する霧積館(昭和46年開業)までの道が県道となったのが10数年前です。

路面が凍ると危ないですので、金湯館の冬の最も大事な仕事のひとつは雪かきになります。

現在は四輪駆動など車の性能もぐんと上がりましたが、雪山の運転は慣れた方でないと危険を伴うことが多いですので、雪の間はふもとの玉屋ドライブイン(地図参照)に車を置いていただき、そこまで金湯館からお迎えにあがる形をとっています。予約を承った折にも、その旨ご説明させていただいております。

雪山の中で入る温泉はまた格別です。冬は湯温が40度ほどで、夏に比べると少しぬるく感じますが、その分長く入っていただくとあがってから体がずっとぽかぽかしています。大体30分ほどお湯でのんびりされるのがお薦めです。